第7話まで視聴しました。
全体として独自の緊張感があり引き込まれるのですが、1点だけどうしても展開の説得力を欠いていると感じた部分があります。
視聴者視点、彼女の呼び名が「岸本めぐみ」だったり「岸本けい」だったり(あるいは文字表記などのニュアンス含め)、何がどうなってその名前に至っているのかが非常に伝わりづらいです。
さらに厄介なのが、作中でその表記や名前の変化について「なぜそう名乗るのか」「いまどういう状態なのか」を分かりやすく視聴者に整理・補足してくれる描写がほとんどないまま、どんどんストーリーが進行してしまう点です。
キャラクターの複雑な境遇を描くのは良いのですが、視聴者が状況を理解・整理するためのタメや説明のシーンを削ったまま話を進められると、混乱してしまいます。もう少し視聴者側の視点に立った親切な構成にしてほしかったです。
※ネタバレを含みます。
『ちいかわ』の本編はほぼ未見で、「ほのぼのした作品」というイメージしかありませんでした。しかし今作は、その印象を覆す重厚なダークファンタジーでした。
物語の根底にあるのは、「大切な人とずっと一緒にいたい」という愛や執着ゆえに犯された禁忌(人魚を食す罪)です。復讐に燃えるセイレーンもまた被害者であり、ここには「絶対的な悪」が存在しません。互いの正義とエゴがぶつかる逃げ場のない悲劇の中、セイレーンの「犯人の尻には証がある」という言葉に翻弄され、ついキャラクターの尻ばかり気にして見てしまったのも悔しくも巧みな演出でした。
そんな連鎖の果てに、ちいかわは残酷な真相に辿り着きます。
しかし彼は、それを暴くことも裁くこともせず、
「真実を知りながらも、静かに胸に抱えて生きていく」
という道を選びます。言葉少なに葛藤を呑み込む佇まいは、彼が「世界の割り切れなさ」を知って大人になった証のように映りました。
劇中の「炭酸」と「単三」をかけたユーモアで和ませつつも、エンドロール後に突きつけられる後味の悪さは最高です。
「何かを得れば何かを失う」という残酷なリアリティと秘密を背負う切なさ。初見の私をも一瞬で引き込む名作でした。
第1話を視聴しました。
人生の通過点で過ごしたこういう何でもない時間こそが、なんだかんだ青春してて特別だったということを、誰もが気軽に立ち寄れるフードコートという決して特別ではない空間で気づかせてくれる。そんな作品です。