序盤からヒロインである栗田の振り回されっぷりが凄まじく、彼女の不憫な姿に可哀想だなと思わされつつも、同時にその健気な愛らしさが際立っています。
対する山岡の容赦ないデリカシーのなさは、一周まわって笑ってしまいます。しかし、そんな破天荒な変人に会社の命運を握る一大プロジェクトを任せてしまう大原社主の度胸と胆力も只者ではありません。それだけ「究極のメニュー」という途方もない構想に対する情熱と好奇心が強いことの裏返しとも言えるでしょう。
また、劇中で語られる「人間の手で強制的に作られたフォアグラよりも、自然の恵みである鮟肝(あんきも)の方が美味い」というアプローチにはハッとさせられます。一般的には高級食材の代名詞であるフォアグラに目が行きがちですが、食の本質や自然由来の味覚の凄みにスポットを当てる語り口は非常に刺激的です。
キャラクター同士の歪な噛み合いと、食に対する確固たる美学が炸裂しており、シリーズの幕開けとして申し分ない面白さを放っています。