夜の街に子供を置き去りにした泉田くん、警察官にあるまじき失態。というか、警察官以前に普通の大人ならそんなことをしない。
小学生がキャリア組の警視のことを「仕事もせず偉そうにふんぞり返ってる官僚」などと言ったりするのも不自然。それは原作者が無闇な反権力的思考に基づいて指弾したいことをキャラクターに言わせているだけでは。田中芳樹作品あるあるだなぁという印象。
原発の警備を受注した大手警備会社が開発した対テロリスト用戦闘ロボットが暴走、武器を持つ人間を猟奇的に惨殺するという話の筋の方は、エンタメ現代劇としてはラノベ原作なのでアリと思う。
女児と薬師寺涼子が恋のライバルという構図をプロットの下敷きにしているのは上手い。
原作者は、戦記物ファンタジー作品は素晴らしいけど、現代劇になると政府組織や政治家を十把一絡げに権威主義の権化で私服を肥やす俗物という扱いにしたがる傾向が強い。
その中で、キャリア警察官僚の薬師寺涼子とノンキャリアの泉田とその周辺人物だけは、特異的に悪い権力者を断罪する存在として描かれている。
それは、この作品のコンセプトが刑事物かつバディ物だからだと思う。