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プロに対する心構えは、相と心で少し違っていたのかもしれない。それでも、心が「同情は創作の敵じゃなかったんですか」「もっと面白い漫画描けます」と強く主張したのは意外だった。
これまで二人の関係は、相が内向的な心を引っ張るように見えたが、ここでは逆転していた。心の言葉が相に漫画を修正する決意をさせたことは、心の成長を感じさせる場面だったと思う。

そして明らかになる手島先生の過去。
自分が面白いと思うものではなく、アンケート結果など他人からの評価にがんじがらめになり、文字通り筆を折ることになった姿は痛々しかった。

一方、コミティアを経験し、漫画との向き合い方を広げた相は、漫画を描くのが趣味の範囲でも、プロを目指していても、「好きなものを描くなら、どっちでもいい」と言い切る。
その言葉を聞いた手島先生が、アイディアノートに「無敵の女子高生!!」と書き込むのが印象的だった。相を通して、手島先生自身の漫画との向き合い方にも変化が生まれたのだと思う。
幼い頃の相にとっては、手島先生の『ロボ太とポコ太』が友だちを作るきっかけになった。
そして今度は、手島先生の漫画によって人格を形成した相が、手島先生を再び漫画へ向き合わせていく。
筆を折るまでになった手島先生が、再び創作への意欲を見せるようになった姿は、心を動かされるものがあった。

1話を見返してみると、さらに面白い。
1話で「端的に言えば(漫画は)全て嘘」と言い切った手島先生に対して、12話では相が「漫画は嘘じゃなかった」と言い切っている姿が印象深く残る。
さらに1話で相は、『ロボ太とポコ太』を「理屈ばかりのロボ太に、感情の大切さをポコ太が教えてくれる」物語だと説明していた。
なんだか手島先生にとってのポコ太は、ある意味で相だったのかもしれないと思えてくるのも興味深い。

手島先生が描いた『ロボ太とポコ太』によって相という「無敵の女子高生」が生まれ、その相によって手島先生自身が変わっていく。
漫画によって影響を受けた人が、時を経て、その漫画を生み出した人に影響を与えていく。
そんな「好きなものを描く」ことの連鎖と循環に、この作品の面白さを感じずにはいられなかった。



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