悪党が北斗神拳の餌食になるのはスカッとする。
今回はマッド軍曹が前菜で、カーネル大佐がメイン。
元特殊部隊のカーネル大佐は、軍上層部と政治家や資本家に絶望して、カルト的な優生思想を持つに至ったと。この設定が原作にあったか覚えてないけど、戦闘シーンの動きと演出は素晴らしい。
国家に忠誠を尽くしてきた軍人が、その国家が崩れ去ったとき、様々なことを広く深く考えて来なかったこと、つまりその教養の無さが、蒙昧な思想と野望に結び付いてしまう。多くの軍事独裁者が陥る闇でもある。
特殊部隊の20〜30年のゲリラ戦経験と、1800年暗殺を極めてきた北斗神拳。その歴然の差を明確に描いた回。
「俺は生まれた時から暗殺者だった」
は、痺れるセリフ。
まずいタイミングで乱入してきたリンをケンシロウは責めない。小さな子供に戦う意志を持たせてしまう乱世が悪いと分かっているからだ。
運命の子リンと世紀末救世主が最初に出会っているという展開の構造もすごい。
原作の武論尊は初期設定を先々まで考えず、後の展開に応じて辻妻の合う要素を付加していったらしいけど、この作品ほどその手法がハマった例を他に知らない。
同時代のジャンプ漫画はその傾向が強いのだけど、その中でも白眉かと。