不思議な魅力を纏ったアニメだった。派手さがあるわけでもないし、キャラクターの個性が強いわけでもない。だけど毎週なんだか目が離せない、続きが気になる、そんな優しい雰囲気を醸し出していた作品。
素直が自身の分身=レプリカであるナオと、ナオを通じての世界とどう向き合っていくか、そしてレプリカであるナオはレプリカときて生きていく自身やアキなどの他のレプリカとどう向き合っていくか。レプリカであるナオは素直の代替品ではなく個人としての個性を確立していき、学校に馴染み、友人を作り、恋をしていく。その過程で素直は立ち直り、逃げない選択をできるようになって。願いが叶っていく。
しかしナオはレプリカであるという事実は変えられないからこそ、ずっとナオと素直は一緒に生きていくことはできないという矛盾。事実他の先輩のレプリカは生徒の前での演説中に消えてしまうというショッキングな展開。このあたりを丁寧だけど時に鋭利に描いていたのがすごく印象的。
最終的にナオがどういう選択肢を取ったのかは明示されないというラストも余韻を感じさせて本当に大好き。どちらを選んでも彼女たちなら大丈夫だよと、この1クールを通じて思わせてくれたから。
ナオと素直の諸星さんの演じ分けも見事で、ちょっとした声色でどっちか分かるのも素晴らしかった。