マグニフィコ王はネットで言われているような善人ではないが、それにしても王一人に責任を負わせすぎている。
国民の願いを支配する王も悪ければ、何もかも王に任せきりの国民も悪い。双方共に反省するべきのはずが、国民は自分たちの行いを省みることもせずすべての罪と責任を王に押し付け、挙句の果てには「王がいなくなって心軽やか」
こんな始末では、愚民と揶揄されても仕方ない。
銀河英雄伝説のラインハルトに見せたらブチ切れて民主政に移行するレベルの作品。
しかし、この問題を解消できていたとしても、話の流れと設定からして凡作にしかならないだろうなと感じる。
OP・ED・アニメーションのクオリティが素晴らしく、制作陣のルパン愛が十二分に伝わってくる。
しかし、ルパン三世の学生時代という面白そうな題材を扱っている割に普通のルパンでも成立するようなエピソードばかりだったのは拍子抜け。
全6話の中でも少年ルパンという要素が一番活かされていて面白かった第4話が個人的ベスト回。
前作『クラユカバ』よりも物語はわかりやすく、全体的に爽やかな雰囲気でラストも綺麗に纏っているものの、クラユカバに比べるとどうしても物足りなく感じてしまい、良くも悪くも大衆向けになってしまったという印象。
映像クオリティの素晴らしさは流石の塚原重義監督。
ちなみに『デュラララ!!』から折原臨也と平和島静雄がゲスト出演している。
物語としての面白さはそこそこだが、世界観を魅せるエンタメ映像作品としてはこれ以上ないほどの出来。
高クオリティな映像と独特な演出で描かれた、奇妙で恐ろしくも魅惑的な世界観に、瞬く間に虜になってしまった。
散りばめられた謎が一切明かされないのも、より一層恐ろしさを際立たせる。
徹底された雰囲気アニメ。
40年前の事件、失われたメモリー、そして謎の巨大ロボ・メガデウスといったミステリアスな要素は単なる舞台装置でしかなく、本作が本当に魅せたいのは個性豊かで魅力的なキャラクターが織り成す質の良い1話完結のエピソード。
雰囲気だけでも面白い作品は作れる、と力で示してみせた名作。おすすめ